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息子の渋い趣味

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息子の色の基準はまわしの色。
街を走る車を見ては、海老茶だ臙脂(えんじ)だと指さし、海の青さえ、「〜関のまわしの色!」と表現する始末。ちなみに一番好きな色は紫。
高貴な色ね…。
まずは売店でお目当ての軍配のレプリカをゲットした息子。幕下力士の取り組みから昼寝もせずに、軍配振り振りノリノリで応援です。
3才の息子の最大の関心事は、なんとお相撲。
夏に病気で入院した際、ベッドから出られなかったため、場所中毎日、幕下から横綱戦まで飽きずにテレビ中継を見続け、幕内力士ならほとんど顔と名前が一致するほど。
その日の勝敗、いろいろな力士の仕切の癖や、横綱付きの行事さんが誰かまですっかり覚えてしまい、ひとりお相撲ごっこでは見事な手つきで仕切をします。
一番欲しいものは? と聞かれると、迷わず「軍配!」と叫ぶくらい、頭の中はお相撲のことでいっぱい。同じ年頃の友達がアンパンマンやディズニーキャラクターに夢中になっている中、なかなか渋好みな子どもです。
そんな息子に本物の臨場感を味わわせてやりたくて、このたび初めて家族で国技館に行ってきました。どうせならと、奮発して枡席を取り、弁当、お酒をお供に初場所初日観戦。
枡席といってもお安い方のB席だったため、土俵から距離があり力士の顔までは見えません。親同士で誰と誰? などと言い合っていると、小さな解説者がしっかり教えてくれました。

親の方はそれほど相撲にくわしいわけでもありませんでしたが、番付が上がるほど白熱する取り組みは迫力があり、色鮮やかなまわしや行事さんの衣装、鍛え抜かれた力士の体がとにかく美しく、親子ともども大満足の一日でした。