日本映画監督協会・下町ダニーローズ合同句会 2007年第八回

 

8月30日、池袋ルノアールパルコ横店でおこなわれた。今回は過去最低の参加人数。参加者は、談四楼(駄兄)、鈴木(写雅句)、内藤(荒媚庵)、根本(敷島)、志らく(仏蘭木)、莉加(酒井)の6人。投句が村上(鵞樹丸)、一琴(横目家)、阿部(親子丼)、高田(紀之元)、入月(入月亭)、岡の6人。紀之元の風邪は仕方ないが、親子丼の日にち間違いは酷い(笑)。全部 で54句。この中から今月の天地人、佳作3句を選びます。更に今年から駄句の天地人も選ぶことになりました。全員敬称を略させていただきます。

 兼題(あらかじめ出されていた季語。ようは宿題で詠んでくるということ)
=「稲妻」「盆踊り」「迎火」
 席題(その場で出された季語。即興で詠むということ)
=「赤蜻蛉」「初嵐」「流星」

 少人数だとやはり宗匠が強い。点がばらけないからだ。天の句は、山田洋次の世界。寂しさに映える色を詠んでみた。地は鵞樹丸。「部屋稲妻」と漢字が続くのは固すぎる。「へや稲妻」で充分。「裂かれたり」が効いている。人も宗匠。流れ星が消えた後、空は暗くなりお願い事をした人間は無になる。宗匠らしからぬ哲学的な句。まさか宗匠だとは思わず入れてしまった人がいた。

無人駅 居るはベンチの 赤蜻蛉 仏蘭木

射し入りて 部屋稲妻に 裂かれたり 鵞樹丸

流星が 消えて無になる 空と人 仏蘭木

 敷島の句は、いいのだが「悪女かな」がマイナス。季語が「初嵐」なのだから「かな」とつけると悪女がめだってしまう。岡の句はけつに「迎え火に」がちょっと物足らない。「迎火に 愛しき面影 ゆれにけり」だと文句なし。入月亭の句は太鼓と人々の気持を見事に合わせた。もうひとつ岡の句。宗匠が正月に詠んだ「獅子舞に 吠える近所の 犬とアホ」に似ている。

佳作
初嵐 やがて渦巻く 悪女かな 敷島

佳作
いとおしき 面影揺れる 迎火に

佳作
盆踊り 脈打つ胸と 太鼓の音 入月亭

佳作
稲妻に 吠える子犬と 泣く子供

 駄天は紀之元。言わんとしている事は素敵だ。「母」を「父」に変えたら駄天にはならなかった。敷島の句は確信犯。季語が三つ。ここまでくると馬鹿馬鹿しくていい。荒媚庵は「中年や」が駄目。当人は「中年や」こそがいいと主張した。だれそれの表現にもあるとのこと。パクリ。席題で詠む場合、季語を強調するのがルール。だから「中年や」では中年が目立ってしまうのです。ちなみに駄兄の自信作に宗匠が駄地を入れた。愕然とする駄兄。「こぬ人に 胸も騒ぐや 初嵐」。「騒ぐや」がいけないのです。「古池や 蛙飛び込む 水の音」という名句があり、「古池や」となっているが、それは芭蕉が詠んだのだからレベルが違う。強調はあくまでも基本ということ。他を強調してもいいのだが、我々クラスはまだそこまでいけない。それに芭蕉は席題で詠んだわけではない。よって駄兄の自信作は「こぬ人に胸も騒ぎて 初嵐」。こうすれば宗匠は天にいれました。 


駄句天
迎火の 夕げの支度 母を待つ 紀之元

駄句地
赤蜻蛉 鰯雲あり 秋の空 敷島

駄句人
中年や 稲妻にさえ ときめかず 荒媚庵


宗匠が天に選んだ句に与える特別賞

 最高の句ではないが、言おうとしていることが素敵なのでこれを一番に推した。

特別賞
いとおしき 面影揺れる 迎火に


 宗匠がその他点をいれた句を紹介。

迎火に 誘われ悪霊 戸を叩く 荒媚庵

佳作
なつかしき 笑顔が揃う 盆踊り

佳作
囃子だけ 幽かに残る 盆踊り 鵞樹丸

佳作
夏の恋 潮時知らせる 初嵐 写雅句

駄人
「何か用?」首をかしげる 赤蜻蛉 写雅句

 賞レースをしている写雅句に佳作と駄句の両方を入れた。もう一人の首位争い横目家は投句というハンディもあったが、1点も入らなかった。
ちなみに今回宗匠が自分で気に入ったが入選しなかった句ある。
「迎火の 見上げてなみだ 南無の空」仏蘭木


 
それぞれの題のトップ

稲妻
射し入りて 部屋稲妻に 裂かれたり 鵞樹丸

盆踊り
盆踊り 脈打つ胸と 太鼓の音 入月亭

迎火
いとおしき 面影揺れる 迎火に

赤蜻蛉
無人駅 居るはベンチの 赤蜻蛉 仏蘭木

初嵐
初嵐 やがて渦巻く 悪女かな 敷島

流星
流星が 消えて無になる 空と人 仏蘭木


8月の合計点 天5点 地4点 人3点 佳作 1点。

駄天 −5点 駄地−4点 駄人−3点

8月の合計点

1〜8月の総合得点

1位
 仏蘭木  19点

1位
 仏蘭木 128点

2位
 岡  11点

2位
 横目家 127点

3位
 鵞樹丸  10点

3位
 写雅句 126点

4位
 敷島   3点

4位
 紫香 100点

5位
 親子丼   2点

5位
 親子丼  90点

6位
 横目家   0点

6位
 駄兄  72点

6位
 入月亭   0点

7位
 西永  27点

8位
 駄兄  −1点

8位
 荒媚庵  24点

8位
 写雅句  −1点

9位
 桜井  23点

10位
 紀之元  −8点

10位
 十州  12点

10位
 莉加  −8点

11位
 宇賀神   7点

12位
 荒媚庵  −9点

12位
 岡   3点
宗匠の一人勝ち。参加者では宗匠だけがプラス。ほかは全員マイナス。投句の人がプラスが多いという珍現象

13位
 生獣   2点

14位
 敷島   1点

15位
 原武 −14点

16位
 入月亭 −35点

17位
 鵞樹丸 −60点

18位
 紀之元 −92点

18位
 河合 −94点

20位
 莉加 −125点
宗匠が1位に躍り出た。写雅句は1位が一月天下だと嘆く。まだまだ6位の駄兄まで優勝圏内。


 俳句率。野球でいうところの打率。(規定詠み句24句。1月から全て参加して詠むと48句。その半分の24句を規定詠み句とする。24句にみたない者は表記されず)俳句率の計算方法。総合得点÷詠んだ句数。

俳句率

1位
 紫香  4割1分6厘

2位
 横目家  2割8分2厘

3位
 仏蘭木  2割6分6厘

4位
 写雅句  2割6分2厘

5位
 親子丼  2割0分0厘

6位
 駄兄  1割5分0厘

7位
 西永  1割0分0厘

8位
 荒媚庵  0割5分00厘

9位
 敷島  0割0分2厘
他 0割