第五回 日本映画監督協会・下町ダニーローズ合同句会

 第四回日本映画監督協会・下町ダニーローズ句会がルノアール池袋パルコ横店のマイスペースでおこなわれた。

  5月16日、下町ダニーローズの稽古の後、池袋ルノアールパルコ横店・マイスペースで句会がおこなわれた。参加者は敷島(根本順善)、十州(辻伸一)、荒媚庵(内藤忠司)、横目家(柳家一琴)、莉加(酒井莉加)、紫香(片岡一郎)、入月亭(入月謙一)、生獣(高慎太郎)、写雅句(鈴木雅巳)、駄兄(談四楼・前回まで寸志)、紀之元(高田紀和栄)、親子丼(阿部能丸)、そして宗匠の仏蘭木(立川志らく)。投句は村上靖子、三遊亭楽春、鈴木夏未。

 俳号が決まった人が多くなり、いよいよ本格的な句会になってきた。高慎太郎の生獣、これは「リカちゃんと怪獣」の時の彼の役なまけものから宗匠が命名。当人はカッコいいと大喜び。しかし俳号を精記の用紙に書き込む際、生化物と書いてしまい、場内爆笑。これじゃあ「なまばけもの」だ。

 途中、テレビ東京編成局の岡仁氏が視察。次回から参加したい意向を申し出た。


さて、今月の入選作を発表しよう。全部で87句。上位6句、そしてワーストの駄句の発表である。

兼題(あらかじめ出されていた季語。ようは宿題で詠んでくるということ)
=「更衣(ころもがえ)」「初鰹」「草笛」
席題(当日その場で出された季語。即興で詠むということ)
=「葉桜」「新茶」「祭り」


葉桜は 飾りを捨てて うす笑い 駄兄・談四楼

大蒜を乗せて 破顔の初鰹 荒媚庵・内藤

葉桜や 華やぐ夢は 散り散りに 荒媚庵・内藤

佳作
祭り行く 貴方の袖に しがみつき 莉加・酒井

佳作
夏祭り おきゃんが目で追う 勇肌 駄兄・談四楼

佳作
草笛を葉が濡れ 吹けず長雨に 紀之元・高田

 更に今回からそれぞれの句のトップも発表する。「葉桜」は上記の駄兄、「初鰹」は荒媚庵、「祭り」は莉加、「草笛」は紀之元。

「更衣」
更衣 箪笥に潜む 恋四つ 仏蘭木・志らく

「新茶」
新茶たて 亡き祖父かほる 古き居間 仏蘭木 志らく
 別に宗匠が入選しなかったからその救済の為に設けたわけではないことを誓って申し上げておく。


 今回の天はぶっちぎりで駄兄であった。前回入選せず、物書きのプライドを崩されての今回の天である。葉桜を詠んでの天ということは、席題であるのでその場で即興で考えた句である。席題でのダントツ優勝は恐れ入りやの鬼子母神。お見事であった。葉桜の情景を詠んだ句はたくさんあったが、葉桜を笑わせたことが多くの人の共感を得たのであろう。

 地と人はいずれも荒媚庵。初鰹は、ほとんどの人が質屋を入れ込んで詠んでいただけに初鰹そのものを詠んだこの句に多くの点が入った。「破顔」という表現がよかった。人の葉桜の句はそれほどインパクトの強い句ではなかったが、「散り散り」にという表現が際立ち、第三位と相成った。

 莉加は先月に続いての入選。スランプを脱出しつつある。監督協会時代の句会の頃のメンバーからすればすぐに莉加の句だとわかる句。それでも点を集めた。シンプルな可愛い句である。駄兄の祭りの句は「おきゃん」という言い回しが勝因。紀之元は久々の入選。初参加でいきなり天をとる快挙だったのだがその後は入選はおろか詠んだ句にほとんど点が入ることなくあの天はビギナーズラックかと言われていただけに、当人は今回の入選に大喜びであった。ただ「草笛」と「長雨」という明確な季語が二つ入ってしまっているところが少々問題。長雨を他の表現で出来たらもっと上位に食い込んだであろう。


 最後に宗匠が天に選んだ句に与えられる特別賞の発表。

特別賞 葉桜は 飾りを捨てて うす笑い 駄兄・談四楼
 
 今月の天とのダブル受賞であった。



 最後に駄句の発表。

駄句
草笛は「光子」の窓と共に消え 村上
 それほど酷い句ではない。ただ草笛といえば誰もが草笛光子を連想したところへ持ってきての句だから駄句に点がはいってしまったようだ。
 駄句の常連、楽春は今回は真面目に詠んだ。しかし点が入らず、皆はいつもの楽春節を聞きたいとがっくり。

  そんな状況の中、笑いの神様が降りてきた者が出現。親子丼(阿部)である。駄句に1点佳作に1点、つまりプラスマイナスで0点。参加者の中の一人は87句あるうちのベスト6に入れたのに一人はワーストに入れたことになる。そんな句をなんと4句も詠んだのである。二句ぐらいならあり得るが4句となると奇跡だ。駄句か良句が皆さんに判断していただきたいので特別に発表しよう。
 香り良し くれよ新茶ん なあみさえ 親子丼(阿部)
 短くも 美しく萌え〜 更衣
 葉桜の 下には期待が はずれてる


総合得点これは各人がこの日、6句詠んで合計で何点稼いだかを争うものです。

野球でいうところの打点。

ちなみに天5点、地4点、人3点、佳作1点、駄句マイナス1点。

1位
 荒媚庵・内藤  45点

2位
 駄兄・談四楼  34点

3位
 仏蘭木・志らく  26点

4位
 写雅句・鈴木  16点

5位
 莉加・酒井  10点

5位
 鈴木夏未  10点

5位
 横目家・一琴  10点

5位
 紫香・片岡  10点

5位
 十州・辻  10点

10位
 紀之元・高田   8点

11位
 入月亭・入月   3点

12位
 生獣・高   5点

13位
 親子丼・阿部   0点

13位
 敷島・根本   0点

15位
 村上靖子   -1点

15位
 三遊亭楽春   -1点

 荒媚庵が高得点をマーク。駄兄は天と佳作、その他の句でも点が入り高得点。宗匠仏蘭木は入選せずも詠んだ6句のうち4句に点が入りまずまずの点。根本は今回は一点も入らず、好調不調の波が激しい詠み人となった。


1月〜5月ここまでの総合得点

1位
 荒媚庵(内藤)  137点

2位
 仏蘭木(宗匠志らく)  106点

3位
 写雅句(鈴木雅巳)   91点

4位
 十州(辻 伸一)   64点

5位
 横目家(一琴)   63点

6位
 紫香(片岡)   50点

7位
 駄兄(立川談四楼)   49点

8位
 鈴木夏未   46点

9位
 莉加(酒井莉加)   32点

10位
 山咲小春   26点

10位
 入月亭(入月謙一)   26点

12位
 敷島(根本順善)   25点

13位
 紀之元(高田紀和栄)   22点

14位
 親子丼(阿部能丸)   16点

15位
 箔長(長宗我部)   14点

15位
 村上靖子   14点

17位
 生獣(高慎太郎)    7点

18位
 三遊亭楽春  マイナス9点
平地レイ、河合は出場辞退により表記からはずします。

 荒媚庵が独走態勢。しかしまだ五月。宗匠と写雅句がどこまで追い上げるかである。更に駄兄の存在も忘れてはならない存在になってきた。


続いては俳句率。野球でいうところの打率。(規定詠み句15句。1月から全て参加して詠むと30句。その半分の15句を規定詠み句とする。15句にみたない者は表記されず)

俳句率

1位
 荒媚庵(内藤)  5割3分7厘

2位
 写雅句(鈴木)  3割7分9厘

3位
 仏蘭木(宗匠志らく)   3割5分3厘

4位
 駄兄・談四楼  3割2分6厘

5位
 紫香(片岡)  2割7分7厘

6位
 十州・辻  2割6分6厘

7位
 横目家(一琴)  2割1分

8位
 鈴木夏未  1割9分6厘

9位
 莉加・酒井  1割0分6厘

10位
 敷島・根本   0割9分2厘

11位
 入月亭(入月)  0割8分6厘

12位
 紀之元(高田紀和栄)  0割8分1厘

13位
 親子丼(阿部)  0割6分6厘

13位
 村上靖子  0割6分6厘

15位
 生獣 高  0割4分6厘
なんと荒媚庵が5割を超えた。野球と同じで3割で一流の詠み人なので5割は凄い。

入賞回数(野球でいうホームラン)今回からこれまで何回入選したかを掲載する。
入賞回数

1位
 荒媚庵(内藤)  6回

2位
 写雅句(鈴木雅巳)   5回

3位
 仏蘭木(宗匠志らく)  4回

4位
 十州(辻 伸一)  3回

5位
 紫香(片岡)  2回

5位
 莉加・酒井  2回

5位
 紀之元・紀和栄  2回

5位
 駄兄・談四楼  2回

6位
 入月亭(入月)
 横目家(一琴)
 村上靖子
 根本順善
 鈴木夏未
 箔長(長宗我部)
 各1回