第6回 日本映画監督協会・下町ダニーローズ合同句会

第6回日本映画監督協会・下町ダニーローズ合同句会報告

 第6回の句会が6月29日午後6時よりルノアール池袋パルコ横店マイスペースにて開催された。参加者は敷島(根本順善)、横目家(柳家一琴)、莉加(酒井莉加)、入月亭(入月謙一)、生獣(高慎太郎)、写雅句(鈴木雅巳)、駄兄(談四楼・前回まで寸志)、紀之元(高田紀和栄)、親子丼(阿部能丸)、箔長(長宗我部陽子)、そして宗匠の仏蘭木(立川志らく)。投句は村上靖子、鈴木夏未、十州(辻伸一)、荒媚庵(内藤忠司)。途中、テレビ東京編成局の岡仁氏が視察。投句をしたのだが、締め切りに間に合わず今回も見学と相成った。


さて、今月の入選作を発表しよう。全部で81句。上位6句、そしてワースト1句の発表。

兼題(あらかじめ出されていた季語。ようは宿題で詠んでくるということ)
=「海猫」「蛍狩り」「玉葱」
席題(当日その場で出された季語。即興で詠むということ)
=「夏休み」「花火」「跣(はだし)」


絵日記に 溶け込む子等の 夏休み 仏蘭木・志らく

星々を 脇に追いやる 花火かな 入月亭・入月

チャイムなり はだしで戻る 五時間目 生獣・高

佳作
終電車 なぜに跣か 老紳士 仏蘭木・志らく

佳作
戦場(いくさば)の 跣の子らの 目に射られ 荒媚庵・内藤

佳作
外食が続き 玉葱芽を育て 横目家・一琴

 それぞれの題のトップ

「海猫」
海猫が こぶし転がす 港唄 写雅句・鈴木

「蛍狩り」
ほたる狩り 光の滴 ばらまいて 莉加・酒井

「玉葱」
外食が続き 玉葱芽を育て 横目屋・一琴

「夏休み」
絵日記に 溶け込む子等の 夏休み 仏蘭木・志らく

「花火」
星々を 脇に追いやる 花火かな 入月亭・入月

「跣」
終電車 なぜに跣か 老紳士 仏蘭木 志らく


 天は宗匠。溶け込むという表現が共感を得た。私としては子等という表現は好きではない。もっと良い言葉があるはずである。
 地の入月は念願の上位入選。実に勢いのある句だ。花火かなとシンプルに詠んだのがいい。
 人は生獣。こちらも初の快挙。五時間目が効いた。
 佳作はまずは宗匠。私の不思議な空間を詠んだお得意の句である。跣を思い浮かべているうちにこの光景が浮かんできたのだ。荒媚庵の佳作は多くの人が詠み手を当てていた。こういった反戦的なものは俳句としてはどうかと思うが、もし戦場に出かけたらば詠みたくなる光景だ。横目家の佳作は女性の共感を得た。ただ俳句としてはあまりしっくりこない。外食をいう必要はないであろう。外食のインパクトが強く季語の玉葱が死んでしまっている。「玉葱の芽まで育てる我が女房」。私ならこう詠む。

 海猫のトップは写雅句。まるで演歌の歌詞。でも上手い。蛍狩りは莉加。私はこれに天を入れた。「ばらまいて」より私は「ばらまきて」の方が好き。俳句はこのような写生が一番美しい。


 宗匠が選んだ天に与える特別賞

特別賞 蛍狩り 光の滴 ばらまいて 莉加・酒井
 



 それでは最後に駄句。今回は駄句王の楽春が休みなのでどうなることかと思いきや、新しい駄句王が誕生した。しかし今回の駄句に選ばれたのはその駄句王ではない。地に入選した入月亭だ。

駄句
海猫を 家に連れ去り 飼い猫に 入月亭・入月
 これは酷い。ユーモラスな句にしようとしたのがこけた良い例だ。

新駄句王は親子丼・阿部である。彼の一連の駄句のオンパレードをごらんあれ。
 よたろうさん はだしの彼は ひだりまき 親子丼(阿部)
 蛍狩り ホテトル買いと ききちがい
 花火見る たんたんぬきのきんたまやー
ノーコメント。
 
 前回天の駄兄・談四楼は今回入選出来ず。更に悲劇が。自信作「カラコロと 露地に響いて 花火かな」をこともあろうに新駄句王の親子丼に駄句にされてしまう。理由は「意味がわからない!」。駄兄の怒るまいこと。宗匠から言わせていただくなら決して駄句ではありません。


 
総合得点これは各人がこの日、6句詠んで合計で何点稼いだかを争うものです。

野球でいうところの打点。

ちなみに天5点、地4点、人3点、佳作1点、駄句マイナス1点。

1位
 仏蘭木・志らく  29点

2位
 横目家・一琴  20点

3位
 生獣・高  15点

4位
 入月亭・入月  14点

5位
 写雅句・鈴木  12点

6位
 莉加・酒井  11点

7位
 荒媚庵・内藤   9点

8位
 駄兄・談四楼   8点

8位
 紀之元・高田   8点

10位
 箔長・長宗我部   7点

11位
 敷島・根本   6点

12位
 十州・辻   5点

13位
 村上靖子   1点

14位
 鈴木夏未   -1点

15位
 親子丼・阿部   -3点

 佳作一句入選の横目家が、細かい点を獲得して20点の高得点をマーク。入月亭は駄句に入ったのが響いてせっかくの地に入選するも点は伸びず。


1月〜6月ここまでの総合得点

1位
 荒媚庵(内藤)  146点

2位
 仏蘭木(宗匠志らく)  135点

3位
 写雅句(鈴木雅巳)  103点

4位
 横目家(一琴)   83点

5位
 十州(辻 伸一)   69点

6位
 駄兄(立川談四楼)   57点

7位
 紫香(片岡)   50点

8位
 鈴木夏未   45点

9位
 莉加(酒井莉加)   43点

10位
 入月亭(入月謙一)   40点

11位
 敷島(根本順善)   31点

12位
 紀之元(高田紀和栄)   30点

13位
 山咲小春    26点

14位
 生獣(高慎太郎)   22点

15位
 箔長(長宗我部)   21点

16位
 村上靖子   15点

17位
 親子丼(阿部能丸)   13点

18位
 三遊亭楽春  マイナス9点

 荒媚庵と宗匠の点差が11点に迫ってきた。来月、抜かせるか。それとも荒媚庵、逃げるか。


続いては俳句率。野球でいうところの打率。(規定詠み句18句。1月から全て参加して詠むと36句。その半分の18句を規定詠み句とする。18句にみたない者は表記されず)俳句率の計算方法。総合得点÷詠んだ句数。

俳句率

1位
 荒媚庵(内藤)  4割4分2厘

2位
 仏蘭木(宗匠志らく)  3割7分5厘

3位
 写雅句(鈴木)    3割4分3厘

4位
 紫香(片岡)  2割7分7厘

5位
 駄兄・談四楼  2割7分1厘

6位
 十州・辻  2割5分5厘

7位
 横目家(一琴)  2割3分5厘

8位
 鈴木夏未  1割6分6厘

9位
 莉加・酒井  1割1分9厘

10位
 入月亭(入月)  1割1分1厘

11位
 生獣(高)  1割0分4厘

12位
 敷島・根本   0割9分3厘

13位
 紀之元(高田紀和栄)  0割8分3厘

14位
 村上靖子  0割6分2厘

15位
 親子丼(阿部)  0割4分3厘
規定外
   山咲小春  2割1分6厘
   箔長(長宗我部)  1割7分5厘

入賞回数(野球でいうホームラン)今回からこれまで何回入選したかを掲載する。
入賞回数

1位
 荒媚庵(内藤)  7回(天1回、地2回、人2回、佳作2回)

2位
 仏蘭木(宗匠志らく)  6回(天2回、人1回、佳作3回)

3位
 写雅句(鈴木雅巳)   5回(地2回、人1回、佳作2回)

4位
 十州(辻 伸一)  3回

5位
 紫香(片岡)  2回

5位
 莉加・酒井  2回

5位
 紀之元・紀和栄  2回

5位
 駄兄・談四楼  2回

5位
 入月亭(入月)  2回

5位
 横目家(一琴)  2回

6位
 村上靖子
 根本順善
 鈴木夏未
 箔長(長宗我部)
 生獣(高)
 各1回