日本映画監督協会・下町ダニーローズ合同句会 九月例会

日本映画監督協会・下町ダニーローズ合同句会九月例会報告

 9月28日午後6時より池袋ルノアール・パルコ横店にておこなわれた。出席者は、談四楼(駄兄)、一琴(横目家)、阿部(親子丼)、夏未(夏未完)、鈴木(写雅句)、内藤(荒媚庵)、高田(紀之元)、根本(敷島)、志らく(仏蘭木)。投句が、片岡(紫香)、村上(鵞樹丸)、高(生獣)、岡、莉加(莉加)。計68句。


それでは87句の中から入選作品を紹介しよう。

兼題(あらかじめ出されていた季語。ようは宿題で詠んでくるということ)
=「鰯雲」「夜霧」「名月」
席題(当日その場で出された季語。即興で詠むということ)
=「かまきり」「秋刀魚」「木犀」


ススキ刈り 団子を搗いて 名月(きゃく)を待つ 鵞樹丸(村上)

待ちぼうけ 頬に夜霧の ぬれた跡 横目家(一琴)

天帝の 筆のすさびか 鰯雲 荒媚庵(内藤)

佳作
肩濡らす 夜霧が重たい 家出路 写雅句(鈴木)

佳作
あなた来ず 木犀の香 肌からみ 親子丼(阿部)

佳作
商店街 異国に見える 夜霧かな 生獣(高)

佳作
木犀や 婦人も花も 香る路 仏蘭木(宗匠志らく)


鵞樹丸、初の天獲得。長く低迷していた鵞樹丸だが、投句にて天を射止めた。名月をきゃくと詠ませたところがみそ。季語にルビをふるのはあまり好ましくないが、上手い。ただ、ススキ、団子、名月、とみっつも季語が入っている。意図的ならばいいが、ちょっと焦点がぼやけてしまう恐れがある。

地は横目家。初の上位入選だ。可愛らしい句だ。たまに可愛らしい句を詠む。一歩間違えれば変態の句になることもあるのが特長。今回は良かった。

人の荒媚庵。賛否両論の句だ。天帝があざといかどうかだ。「神様の」で充分だと私は思う。

佳作の写雅句。家出路が上手かった。親子丼が佳作に!驚きである。字で見ると良い句だが、詠むとぎこちない。木犀の香(こう)と詠むのがいけない。「木犀香る」とすれば詠みやすくなる。

生獣の佳作は、綺麗な句だが、よくよく考えると異国に見えるか?と疑問が湧いて来る。私ならこう詠む「夜霧降る 異国情緒の 商店街」

 宗匠の佳作。あまり自信のあった句ではない。綺麗過ぎるのだ。香る路がキザだ。


今回、奇跡が起きた。「鰯雲」で、宗匠の詠んだ句と写雅句が詠んだ句がほぼ同じだった。

鰯雲 うろこ数えて 陽が落ちる  写雅句

鰯雲 鱗数えて 陽が沈み  仏蘭木

 鱗を漢字にしたか平仮名にしたかの違い。陽が落ちる、陽が沈み・・・ほとんど同じ。清記する人間が同じ人物の句だと勘違いして、宗匠の句は廃棄してしまった。よって得点は写雅句にのみ入ったのである。


今回はユーモア賞がばらけてしまった。とびきり笑えるのがなかったという事。この句はちょっとビールのコマーシャルみたいで面白い。

ユーモア賞

腸旨し 秋刀魚で大人の 味を知る 写雅句


それでは宗匠が天に選んだ句に与えられる今月の特別賞の発表。

特別賞 待ちぼうけ 頬に夜霧の ぬれた跡 横目家(一琴)
 



それぞれの題のトップ

「鰯雲」
天帝の 筆のすさびか 鰯雲  荒媚庵(内藤)

「夜霧」
待ちぼうけ 頬に夜霧の ぬれた跡 横目家(一琴)

「名月」
ススキ刈り 団子を搗いて 名月を待つ 鵞樹丸(村上)

「秋刀魚」
母心 秋刀魚ほぐして 膳にのせ 夏未完(夏未)

「かまきり」
くもの巣に 掛かるかまきり 音静か 仏蘭木(宗匠志らく)

「木犀」
あなた来ず 木犀の香 肌からみ 親子丼(阿部)


 夏未の秋刀魚の句は、母の気持が良く出ている。ちなみに宗匠が詠んだ秋刀魚の句は「火だるまの秋刀魚の煙 浮かぶ母」。母親の気持が出ていない。でも、本当は俳句は情景が浮かんだ方がいいのです。

 かまきりは宗匠の句。これも情景。どうも最近、情景よりも内容を評価する人が多くなっている。難しい言葉は極力使わず、情景をどれだけ綺麗に粋に詠めるか。それが俳句であることを思い出していただきたい。内容は、万人に届く内容ならばいいが、特定の人だけを感動させるのはあまりよろしくないのです。

 今回は駄兄が「天」三連覇の偉業を狙ったのですが、惨敗。ひとつに、書き間違いという不幸もあり、不運であった。「鉢巻と 海苔巻きを見る いわしぐも」。これを「鉢巻を 海苔巻きと見る いわしぐも」と書かれてしまった。弟子のらく太のミス。もうひとりの弟子も他の句で書き間違いをした。つまり自分が詠んだわけではないから、気が入っていないのだ。次回からミスをしたら罰金を払わせるつもりだ。



それでは今月の駄句。

駄句
驚いた 夜霧よ 今夜も アリィがちょーん 親子丼
 全員の怒りを買った句。「アリィ」をカタカナにしたのが腹ただしい。


 
総合得点これは各人がこの日、6句詠んで合計で何点稼いだかを争うものです。

野球でいうところの打点。

ちなみに天5点、地4点、人3点、佳作1点、駄句マイナス1点。

1位
 荒媚庵・内藤  19点

1位
 写雅句・鈴木  19点

1位
 横目家・一琴  19点

4位
 仏蘭木・志らく  18点

4位
 夏未完・夏未  18点

6位
 鵞樹丸(村上)  14点

7位
 親子丼・阿部   9点

8位
 岡   8点

9位
 敷島・根本   6点

10位
 生獣・高   5点

11位
 莉加・酒井   4点

12位
 紫香・片岡   3点

13位
 紀之元・高田   1点

13位
 駄兄・談四楼   1点


 駄兄の1点は意外。以前もそんなことがあった。ということは出来不出来が激しいのか。次回プライドをかけての巻き返しを願う。


1月〜9月ここまでの総合得点

1位
 仏蘭木(宗匠志らく)  194点

1位
 荒媚庵(内藤)  194点

3位
 写雅句(鈴木雅巳)  134点

4位
 駄兄(立川談四楼)  127点

5位
 横目家(一琴)  119点

6位
 十州(辻 伸一)   94点

7位
 夏未完(夏未)   85点

8位
 紫香(片岡)   79点

9位
 敷島(根本順善)   55点

10位
 莉加(酒井莉加)   47点

11位
 入月亭(入月謙一)   41点

12位
 紀之元(高田紀和栄)   37点

13位
 山咲小春    36点

14位
 鵞樹丸(村上)   35点

15位
 親子丼(阿部能丸)   31点

16位
 箔長(長宗我部)   27点

16位
 生獣(高慎太郎)   27点

18位
 三遊亭楽春  マイナス9点

 またまた宗匠と荒媚庵が1位で並んだ。激しいデットヒート。トップでゴールを切るのはどちらか。写雅句、駄兄、横目家にもまだまだ可能性はある。


続いては俳句率。野球でいうところの打率。(規定詠み句24句。1月から全て参加して詠むと54句。その半分の27句を規定詠み句とする。12句にみたない者は表記されず)俳句率の計算方法。総合得点÷詠んだ句数。

俳句率

1位
 荒媚庵(内藤)  3割8分0厘

2位
 仏蘭木(宗匠志らく)  3割5分9厘

3位
 駄兄・談四楼  3割2分5厘

4位
 紫香(片岡)  2割9分2厘

5位
 十州・辻  2割8分4厘

6位
 写雅句(鈴木)    2割7分9厘

7位
 横目家(一琴)  2割2分0厘

8位
 鈴木夏未  1割7分7厘

9位
 敷島・根本   1割0分7厘

10位
 鵞樹丸(村上)  1割0分6厘

11位
 莉加・酒井  1割0分4厘

12位
 入月亭(入月)  0割9分7厘

13位
 紀之元(高田紀和栄)  0割7分2厘

14位
 親子丼(阿部)  0割6分4厘
規定外
  小春、箔長、生獣、岡、楽春は規定読み数に足りません


入賞回数(野球でいうホームラン)今回からこれまで何回入選したかを掲載する。
入賞回数

1位
 荒媚庵(内藤)  11回(天1回、地2回、人4回、佳作4回)

1位
 仏蘭木(宗匠志らく)  11回(天2回、地1回、人1回、佳作7回)

3位
 写雅句(鈴木雅巳)   5回(地2回、人1回、佳作2回)

3位
 十州(辻 伸一)  5回(天1回、地1回、人1回、佳作2回

3位
 駄兄・談四楼  5回(天3回、佳作2回)

6位
 紫香(片岡)  3回(人1回、佳作2回)

6位
 横目家(一琴)  3回(地1回、佳作2回)

6位
 夏未完(夏未)  3回(地1回、佳作2回)

9位
 敷島・根本  2回(佳作2回)

9位
 入月亭(入月)  2回(地1回、佳作1回)

9位
 莉加・酒井  2回(佳作2回)

9位
 紀之元・紀和栄  2回(天1回、佳作1回)

9位
 鵞樹丸(村上)  2回(天1回、佳作1回)

9位
 生獣(高)  2回(佳作2回)

15位
 箔長(長宗我部)
 山咲小春
 親子丼(阿部)
 各1回