立川志らくの「ロサンゼルス・ラスベガス珍道中記」
(ミクシーの日記より)

「ロサンゼルス・ラスベガス珍道中記 その1」

 7月にたくさん仕事をしたことに対する立川企画の社長からの御褒美で海外旅行をすることになった。妻との二人旅。費用は事務所もちである。
 

 これまでアメリカというとニューヨークに4回行ったが、ハリウッド、ラスベガスは初めて。

 ということでJTBのお世話になる。最大の目的はラスベガスでショーを観る事。一番人気は「オー」。あらかじめ「オー」と「カー」と「マンマミーヤ」の予約をJTBにお願いする。しかし寸前の予約という事で「オー」がとれそうもないとのこと。当日券でとってくれという指示。すると立川企画の社長が燃えて、無理やり、どういう手段を使ったか知らないが、出国寸前に165ドルの席を確保。高いが仕方ない。

 8月2日、シンガポール航空に乗ってロサンゼルスへ。

 出口にJTBの人が待っているはずなのだが、見当たらない。まあ、ホテルが分かっているからタクシーで勝手にいけばいいと妻と話をしていた。煙草を吸おうと思ったがライターが見当たらないので売店を捜していると、ひとりのおじさんと目が合った。その人がJTBの人だった。「勝手にホテルにいっちゃう人がいるんですよ。こっちは心配して大騒ぎ」。もう少しで大騒ぎさせるところでした。
「あたしはね、ロスの綾小路君麿と呼ばれてましてね」とうそぶくこの人を軽く無視をして、JTBの車に乗り込む。するとホテルに向かう道中、運転手が「お客さん、見たことありますよ。私、落語好きでね。落語のピンも見てました」、面が割れてしまった。それ以降、師匠師匠と呼ばれる私。

 運転手にディズニーランドの行き方を聞くと「師匠、交通手段はありません。路線バスで40キロ。帰りはダウンタウンのど真ん中に放り出されます。道を歩いている人なんかいませんよ。ニューヨークより治安も悪いし、師匠が奥さんを守れるならいいですが、無理ならうちのツアーをお勧めします」との返答。ようはツアーの勧誘でした。まんまと口車に乗りひとり135$のツアーに参加してしまいました。あとあとツアーなんか馬鹿馬鹿しいと思い電話でキャンセルを申し出ると、キャンセル料金半額と言われ愕然。渋々参加することに。

 ロス滞在中のホテルはリトル東京にあるニューオオタニ。到着し近所を散策。閑散としていた。街角に二宮金次郎がぽつんと淋しく立っていた。日本食の店で昼食。私はカレーライス、妻はサラダ。メニューの写真を見て不安になる。なにせ焼うどんの上に鰻の蒲焼きがのっているんだもの。不安的中。見た目は普通のカレーだが食べれば食べるほどまずくなる不思議なカレーであった。妻のサラダはただただ甘くてサラダを食べただけでデザートまでいただけてしまう感覚になる優れもの?であった。

 リトル東京内にドンキヨシというドンキホーテとマツモトキヨシを混ぜた店を発見。リトル東京をあとにし、いざハリウッドへ。地下鉄の駅まで歩くこと10分。シビックセンター駅。地下鉄に改札はなく、1$25セントの切符を買えばよろしい。改札がなく駅員もいないからただで乗り放題。たまに警官の見回りがあって無賃乗車は罰金250$。恐ろしいのできちんと購入。もっとも滞在中、一度も警官の見回りはなかった。

 地下鉄に乗りハリウッドハイランドへ。ハリウッドの中心。駅前は派手な温泉街の趣。いきなり土産屋に入りアル・パチーノのブロマイドを買う。喉が乾いたのでマクドナルドへ。飲みものは何にするかとマックの店員に聞かれたのでコークと答え、サイズは?ときたのでMと言い、持ち帰るか?にはHeerと答えた。するとですね、でかい紙コップを渡された。店内を見渡すとドリンクコーナーがあり、そこで勝手にコーラを汲めということなのだ。変ではないか?自分で汲むのだから飲みものは何かと聞くことはない。私が何を汲もうが店員にはわからない。更に、見ていると客はなんべんもおかわりに行っているではないか。ということはフリードリンク。じゃあサイズはなんだっていいはず。しかしドリンクコーナーをよく見てみると、お一人様一種類一回のみと書いてある。でもそんなことおかまいなく皆おかわりに。店員がそばにいても平気。店員も何もいわない。客にドリンクを汲ませるシステムにしたマクドナルドが悪い。なにしろここは自由の国なのだから。地下鉄では真面目に切符を買った私だが、マックでは堂々とコーラをおかわりに行ったのでした。

 マックでアメリカを感じた私と妻は、続いて洋服屋に。そこでマーロン・ブランドの写真がプリントアウトされたシャツを購入。22$なり。街をふらつきびっくり人間博物館と蝋人形館に入るもつまらない。2館セットで30$。二人で60$。馬鹿か。有名なチャイニーズシアターに行きスターの手形を見るが数が多すぎてそのうち手形なんか見てもだからなんなんだと思い、更に街を散策。

 そばに実にアメリカ的なルーズベルトホテルがあり、ここにすればよかったと後悔する。だってハリウッドを見たいからロサンゼルスに来たのだ。リトル東京に泊まってどうする。遠すぎだし、日本人だらけだし、ホテルの裏には紀伊国屋書店まであるし、意味がわかりません。

 夕飯はコザツクシアターのちょっと高級そうなイタリアレストランでパスタ。ミートソースがあった。妻がメニューを読んでみつけてくれた。妻はかなり英語を聞き取れ、読むことが出来る。しかし英語調子で話すのが恥ずかしくて全く喋れない。私はほとんど英語は聞き取れず、読むことも苦手。でも話すことは少し出来る。いつも英会話の本を鞄にしのばせ、即効で暗記しペラペラと喋る。だから店では妻が聞き取り私が喋るのである。ここのレストランは高いだけあってそこそこ美味しかった。でもうちでこしらえる方が美味しいな。食事を済ませると時間は9時。日没は8時。もう真っ暗。地下鉄に乗りホテルへ。遠い!このあと、ホテルに戻った時点で事件は起き、私は夜のリトル東京を走り回るのであった。