立川志らくの「ロサンゼルス・ラスベガス珍道中記」
(ミクシーの日記より)

「ロサンゼルス・ラスベガス珍道中記 その2」

 ホテルの近辺まできて、飲み物を買いに行こうとしたら妻はもう歩きたくないという。なら先に部屋に戻れと鍵を渡し、私は独り夜のリトル東京の繁華街に。繁華街ていっても閑散としていて、不良や乞食がウロウロ。店も大半がやっていない。ようやく一軒のファーストフードを見つけ、飲み物を購入。ホテルにもどると妻がいない。荷物もないということは戻ってきてないということだ。もしかして部屋番号がわからずロビーで待っているのかとロビーにいくも妻の姿はない。ならば買い物に行く私の後を追ったのかと繁華街へ。不良と乞食と地元民の姿しかない。ホテルに戻る。やはりいない。また繁華街へ。酒場をのぞきまくる。いない。路地裏へ。いない。夜のリトル東京を走り回る私。同じ乞食に三度遭遇。なにやらわめく乞食。うるさいと言い返す。部屋に戻る。まだいない。またまた繁華街へ。遠くから先の乞食が私を見つめている。私の頭の中では最悪の事態が渦巻く。一時間が経過。もはやこれまで。フロントに行き警察に連絡してもらうしかない。その前にもう一度部屋へ。

 すると酔っ払った妻がシャワーを浴びているではないか。どこにいっていたのかと聞くと、何でも私と別れた後、ホテルのセキュリティ担当者と名乗る男が近づいてきて、ホテルまで送っていこうと言われ、怪しいと思い、逃げようとしたがそいつはついてくる。困っていたらたまたまとおりかかったアメリカ人の若者グループが助けてくれて、その中には女性もいたので安心し、意気投合してホテルのバーで飲んでいたという。怒ろうと思ったが安心の方が上で、「俺はおかげで街を三周しちゃったよ」とだけ言い、その夜は就寝。考えてみればホテルの入口まで連れていかなかった私が悪いのです。

 明くる日。ホテルのレストランで朝食。私は和食。妻は洋食。観光ガイド本を持たずにきたので紀伊国屋で購入。ハリウッドにあるチャップリンやモンローの壁画があるのはハイランド駅の手前のハリウッドバインだと分かり、そこへ。駅前はちょっと怪しげ。マリファナのパイプの店が居並ぶ。歩道にはスターの名前が彫ってある。ケーリー・グラント、ジーン・ハロー、ミッキー・ルーニーだ!と興奮しても妻には分からない。

 暫く歩いているとはるかかなたにお馴染みハリウッドサインの文字が見えた。あわてて写真を撮ろうとしていたら通りがかりの白人がもっと先に行けば絶景ポイントがあると教えてくれたので行ってみることに。 路地を曲がるとなるほと見事なハリウッドサイン が見えた。写真を撮ろうしたらどうやってもセブンイレブンの看板がはいってしまう。どこにでも店を出しゃいいってわけじゃないぞ、セブンイレブン!仕方なくセブンイレブンをバックにハリウッドサインを撮影。

 続いてチャップリンらの壁画発見。チャップリンとならんで記念写真。昼食はハリウッドハイランドまで歩き、メイン通りからはずれたハリウッドドライブイン。映画やドラマによく登場する店。さすがに日本人観光客の姿はない。妻はサンドイッチ。私はハンバーガー。結構美味い。昼食後、ハリウッド博物館へ。ここにも観光客はあまりこない。なにしろマニアックな博物館。私は狂気乱舞。壁に往年の銀幕スターの写真が。私でもわかるのは7割。普通の人は1割もわからない。モンローとラナ・ターナの衣装部屋があった。どちらも私の贔屓女優。モンロー、でかい。ミニシアターがあり入ると「ザッツエンターテインメント」を上映していた。「水着の女王」エスター・ウィリアムズが水に舞っていた。

 私は最後まで観ていたかったが、妻が家で観れるでしょ、ビデオ持っているんだからと早く出ようと私を急かす。確かに家で観られるが、ハリウッドで観ているから楽しいのだ。よし、次に行った時はルーズベルトホテルに泊まり、妻は買い物をさせておいて私はここに籠城するぞ。でもまた妻が消えたら今度はハリウッドを走り回ることになるなあ。

 博物館を出てまたチャイニーズシアターへ。パイレーツオブカリビアンの衣装をきた連中が観光客と記念写真をとっていた。興味なし。土産物屋に入り、面白い絵を発見。「ゴッドファーザー」と「スカーフェイス」と「グッドフェローズ」がごっちゃになっている絵だ。2バージョン購入。一枚22$なり。妻がメローズのショッピング街に行きたいというので付き合うことに。

 バスを待つもなかなかこないのでタクシーで向かう。寂れた軽井沢のショッピング街といった感じ。一日ではまわれないほど広いらしいが、私はまわりたくない。まずは喫茶店に入りジュースを飲む。トイレを行こうとしたら店の奥でちょっと物騒。ドアが開かない。ガチャガチャやっていたら中でからでかい黒人が。入っていたんですね。ペコペコ頭をさげてトイレに。すると鍵をかけ忘れ、今度はでかい白人が入ってきてしまい、私は小便をしながらパニックに。

 店を早々に出て街を散策。妻はお目当てのフェイマスの店を発見し狂気乱舞。私は魂ここにあらず。洋服屋なんて原宿に行けばいくらでもあるから早く帰ろうと言いたかった。さっきのハリウッド博物館と全く逆になる。私は洋服屋に入ってもほしいものは皆無。西友で十分。ブランドを買う金があれば映画をみたい。

 一軒の古着屋に入る。ジェロニモンみたいなおじさんが服を見ていた。怖いなと思っていたら、そばにきた日本人女性に「これ似合うかな」・・・日本人のおっさんだった。私はその店で15$のアロハを購入。後日ラス・ベガスに行くんだから派手にと考えたのだが、アロハはハワイでしたね。

 夕方、ハリウッドに戻ろうとバスに乗る。しかし行けども行けどもハリウッドに着かない。やがてハイウェイをくぐり田舎町へ。やばい、乗り間違い。ロスはタクシーが流していない。だからまず拾えない。どこで降りていいやら焦る。やがてビルが見えてくる。都心につけば安心。えいや!と降りたらシビックセンター。リトル東京の入口でした。運がいいね。ホテルに戻り一服してリトル東京の繁華街へ。面白そうなので回転寿司の店に入る。面白かった。ひとつも食えない。私が3枚、妻が2枚で逃げ出す。一番繁盛していた日本食の店に。妻はたぬき蕎麦、私は天ザル。あと餃子。テンブラは美味しかったが蕎麦がとことん駄目。餃子は水で飲み込みました。

 食後まだ時間があるからユニバーサルスタジオに行くことに。また地下鉄に乗る。駅を降りるとホテル前からユニバーサルスタジオ行きの無料バスが。それに乗ると客が皆ハイテンション。奇声をあげている。私はひとり地蔵に。到着は7時半。遊園地につながるエントランスが長い。知らない人はそこがもうユニバーサルスタジオだと思ってしまう。現に日本人観光客が、ジュラシックパーキングという駐車場の看板をみて、ジュラシックパークだと大ハシャギして飛び込んで行ったのを目撃している。

 辺りをうろつきユニバーサルスタジオの入口に着いたのが8時間。入場券を買おうとするも売ってくれない。多分、もうおしまいだから一日券は売らないよと断られたのだろう。どうしょうかと困惑していたらダフ屋に声をかけられた。男のダフ屋が私に一枚35$で。女のダフ屋が妻に一枚10$で。私が断ると男は何やらこっちにこいと連れていこうとする。連れてかれるのは困るので、結局女の方から券を買う。凄いね、異国の地でダフ屋から券を買うなんてね。

 しかし中に入るとアトラクションはみんな終了。唯一ウォーターゲートのショーが始まるらしいので行くと、係の人にお前の券は入場券だからショーは見られないと言われる。畜生、ダフ屋め、道理で安いわけだ。まあ、10$で夜のユニバーサルスタジオを見られたからいいか。やることがないので輪投げをして、花屋敷か!ビールを買おうとしたらパスポートを見せろときた。あきらかに20代の女の売り子だ。お前よりふたまわり上だと言ってやろうにも英会話の本にはそんな例文はなく、大人しくパスポートを見せる私でした。

 帰り地下鉄の駅で1$でチョコを売っている黒人の少女がいた。妻が購入。電車に乗ると今度は男の子がチョコを。私が購入。すると子供達の親がやってきて、今日も儲かったという顔をして子供を連れて次の駅で下車。子供に売らせればそりゃ売れるわな。電車を降りる時、黒人の少女が妻にバイバイと手をふっていた。男の子は私を全く無視でした。
その晩はチョコ売りの子供の夢を見ました。
つづく。