立川志らくの「ロサンゼルス・ラスベガス珍道中記」
(ミクシーの日記より)

「ロサンゼルス・ラスベガス珍道中記 その3」

 今日はディズニーランド。好きではありません。ということで人間ウオッチングに徹することにした。その人間ウオッチングが最後にとてつもない怒りになることはこの時点では知る由しもない。
 
 ツアーに参加したため朝の8時50分にロビー集合。ユニバーサルスタジオの入場券をダフ屋から買う奴が、ディズニーランドにツアーで行くとはチャンチャラおかしい。参加者は私と妻、善良そうな四人家族(高校生ぐらいの娘が二人)、そして大学生チーム(男ひとりにその彼女、女二人)。JTBのおじさん(ちょっとホーチミンに似ていた)の車で走ること50分。10時前に到着。待ち合わせ場所を決めて解散。帰りの集合時間は夜の10時15分。長い。とてつもなく長い
 
 さあ、ディズニーランドへ。休日ということもあり人でごったがえしている。まずはカリブの海賊。ジョニー・デップがかくれているというのが売り。エドワード・G・ロビンソンでも隠れているなら心も踊るがジョニー・デップでは。ほとんど並ばず入れた。列にまるでムーミンみたいな女性がいた。体系がまさにムーミン。雰囲気もムーミン。続いて水の中に落ちていく乗り物。名前忘れました。30分ほど並ぶ。前にやたらいちゃつく白人カップルがいた。男がもうメロメロ。女は少し嫌そう。よく見るとどちらかの母親も一緒。母親の前でよくいちゃつける。更によく見るとちらかの兄がいて兄にも彼女がいる。兄の彼女の方が綺麗。こちらはあまりいちゃつかない。おい、もうひとりおばさんがいるぞ。誰だ?誰の母親だろうか。考えていたら兄の方もいちゃつき始めた。皆、「13日の金曜日」で殺されそうな顔をしていた。
 
 水に落ちる乗り物、記憶なし。続いて妻が嫌がる魅惑のチキルームへ。私はディズニーランドではここが好き。ただたくさんの鳥が歌うだけ。楽しい。日本のチキルームはしらけまくるのだがこちらは大盛り上がり。歌の合間に拍手が起きる。隣の白人青年が鳥達の歌声にうっとりしていた。昼食はセルスサービスのレストランで。私はパスタ。なんとペンネがきてしまった。大嫌いです。馬の餌並みの量。妻はチキン。チキルームの後にチキンを食べるとは。妻の皿には見たことがないほど巨大なフライドチキンがみっつ。妻はフライドチキンが嫌い。二人とも嫌いな料理を前に途方に暮れるのでした。
 
 昼食後はジャングルクルーズ。船に乗ってジャングルを探検する子供ダマシのアトラクション。案内役がつく。アメリカだから白人のお姉さんでもつけば楽しいなと思っていたら日系人の兄ちゃん。意味なし。たまに英語でもギャグを飛ばしている。ひたすら地蔵になる私。気が付くと妻も地蔵に
 
 宇宙コーナーへ。スターウオーズのアトラクション。25分ぐらいの待ち時間。私のうしろに成長したハリーポッターみたいな青年が並ぶ。以前、私は師匠にハリーポッターに似ているといわれたことがあるが、断然うしろの青年の方が似ていると妻。なぜか負けた気になり落ち込む私。次のアトラクションはスペースマウンテン。50分待ち。ただただ人間ウオッチング。
 
 ごまアザラシみたいな三人組の女。ずっとこっちを睨んでいる。いや、こっちが見ているから睨まれたのです。あとアイダホの農場からはりきって遊びにきたようなおじさんがいた。恐らく一張羅のシャツなんだろうが、ディズニーランドでは浮いてしまい、ディズニーランドの事務員のようであった。二人組のハイティーンの美少女発見。どちらも「スクリーム」に登場しそうな雰囲気。金髪と黒髪。私は金髪の子をヒロインと決める。途中、列が二手に別れヒロインを見失う。がっかりしていたら、階段の上から乗り物に乗り込むヒロインを発見。喜んでいたら妻に、見すぎ!と叱られる。なぜ可愛い女ばかり見るの、カッコイイ男は見ないのと言われたので、カッコイイ男には興味なし、男ならアイダホのおじさんの方が興味がある、ダニーローズに入れたいと意味不明の返答。妻、呆れる。で、スペースマウンテン。乗っている最中から吐きそうになりました。ジュースを飲み、しばし休憩。目の前をヒロインが通りすぎる。復活。
 
 次の乗り物は、羅列するのが面倒臭くなってきた。どうでもいいや、ディズニーランドの乗り物なんか。だいたいのところを書きます。ホーンデットマンションやら白雪姫やら乗った。東京と変わりません。
 
 夕飯はディズニーランドのメキシカンの店。タコスを注文。昼食食の恐怖がトラウマになりどかっとしたものが頼めない夫婦。でもタコスはどかっときた。一口食べて全部妻にあげた。ひょいと横を見るとアイダホの一張羅のおじさんが食事中。がんばれと何故か心の中で呟いた。食後はミクロキッズのシアターを見たり、何だか分からない地味な乗り物に長時間並んで乗ったり、巨大な建物の前に並んで入ったら動くゲームセンターだったり、トイストーリーの銃激戦ゲームに夢中になって二度もやったりと、そこそこディズニーランドを楽しむ。ニモのアトラクションは東京にはないとのことで、行ってみると長蛇の列。断念。列にヒロイン発見。再び復活。キリストか。妻がターキーレッグを購入。デカイ。牛の足かと思った。どうして鳥ばかり食べる!私はもう一度チキルームに入りたいです。
 
 暗くなり花火が夜空に浮かびあがる。花火の明りの下での夫婦の会話は、「ロスのディズニーランドって車椅子率高いよね」であった。お土産屋に入るも欲しいもの無し。姪っ子にお化けの袋をひとつ。それのみ。他のツアーの人達の手前、土産が少なすぎると恥ずかしいから土産袋に鞄を入れ膨らませました。
 
 パレードは見ず。ねぶた祭りには敵うまいと園から出る。まだ集合時間までは時間があると、商店街をうろうろ、商店街というかどうか知らないが。バーに入りハイネケンビアというと、店員がごちゃごちゃとほざく。マックと同じ感覚でミディアムというと呆れられた。店員は瓶のままでいいかそれともコップに入れるかと聞いていたのだ。なのなミディアム!早口すぎるんだよ、店員。早口の達人の私に早口と言われる店員。
 
 集合時間は10時15分。早めに行ったって、絶対にツアーの大学生チームはきているはずがないので、時間ギリギリまでベンチに腰をかけてぼんやりと。するとツアーの四人家族が父親を先頭に猛ダッシュで私の前を通過。さすが日本のお父さん。集合時間の10分前には到着せねばと家族を従え走ってきたのだ。我々もあとにつづく。妻に、絶対に大学生チームは遅れてくる、遅れても笑いながらくる、で、決して謝らない、と予言をする。予言的中。こない。大学生4人の内、カップルはきたが女二人がこない。明日は我々はラス・ベガス。朝のフライトでホテル出発が4時50分。早く帰って寝たいのに馬鹿がこない。20分経過。JTBの人に妻との記念写真を撮影ってもらって時間を潰す。するとJTBの人がカメラが変だという。パノラマ設定であった。ここまで全部パノラマで撮影っていた私。馬鹿だ。だけどもっと馬鹿は大学生。30分の遅刻できやがった。やはり笑っていた。道に迷ったとのこと。知るか。置いていきゃあいい。だって一言も謝らないのだ。予言はしたが本当に謝らないとは。怒ろうかと思った。皆が迷惑したんだ、一言謝るのが本当だろうよ!
 
 しかし堪えた。四人家族の日本のお父さんが怒ってくれると期待したからだ。ここでびしっと叱れば、その時はお父さんの娘さん達は、恥ずかしいからやめてというだろうが、彼女達が大人になった時、あの時の父親をカッコ良かったと思うはずだ。もし私が怒ったら、娘達はなんでお父さんが怒らないのと父親を軽蔑するかもしれない。そう考えて私は怒りを押さえたのだ。なのに日本のお父さんは怒らなかった。帰りの車中で熟睡する体たらく。きっとお父さんはホテルに戻ってから娘達の前で一席ぶつんだろうな。今時の若い子は本当に非常識だと。でもね、そういった非常識をこしらえたのが、お父さん、あなたがた、だらしない大人なのですよ。
 
 ホテルに戻っても怒りがおさまらず、おなかもすいたので、繁華街のファーストフードにいき、ホットドックなんぞを食べた。そして、妻を相手に、あの大学生と日本のお父さんがいかに馬鹿か一席ぶったのでした。結局、私もだらしない日本のお父さんなのでした。
明日はラス・ベガス。4時50分ホテル出発。フライトは8時30分。空港まで25分。出発、早すぎやしないか。JTBの時間設定に疑問を持ちつつも4時にアラームを設定しムカムカしたまま眠りにつくのであった。

つづく